
砂の敷料エリアのフレッシュ牛群
別の記事では調査の目的について記載してあります。ルーズバーンの牛床管理に関する報告はまだ少なく、生産者の方の経験から得た知見を少しでも広めたいという思いから始めました。
実際に得られた情報はたくさんあり、移行期の牛のための管理戦略やグループ分けの方法も様々でした。例えば妊娠牛房にはごく短期間、その後は1ヶ月もの間VICエリアで過ごす、などです。分娩ラッシュはストレスにもなるため、牛床の機能を活かすためのデザインや使うべき敷料の特徴と実践的な知識など、コツを教わりました。
“牛にとってこの上なく快適な場所にするべきです”
移行期の牛のための場所としての戦略
調査対象の全ての牧場がAMS(ロボット搾乳)で、ロボットの数は1台から7台までと様々でした。当然、牛群も64頭から340頭規模と幅がありました。移行期の牛群のグループ分け方式に則り、牧場を3つのタイプに分けました:
- VICグループ(クロースアップとフレッシュ牛をルーズバーンの牛床で管理)
- 分娩をルーズバーンの牛床で管理
- 乾乳の全期間または半分の期間をルーズバーンの牛床で管理
VIC群のためにルーズバーンエリアを使う場合、分娩のためだけに使う場合に比べて、牛の流れを確保しておくことが鍵となります。分娩が遅れたり、回復が遅れて予定どおりに搾乳牛群に戻せない場合もあります。このため、分娩用のペンはフレッシュ牛群用の大き目のペンにくらべて、より予備のスペースを持たせる必要があります。VIC群のためのエリアであれば、全てのフレッシュ牛がある程度の期間過ごすことを想定してデザインされるため、分娩ラッシュがあっても柔軟な受け入れ対応が可能です。分娩があったからと必ずしも搾乳群に牛を慌てて送り出す必要はなくなるのです。
“これまで見たどの牧場よりも育成牛がロボットへ入ることを覚えるのが早いのです”
移行期の牛のエリアで管理される頭数の多様さと、牛舎内のルーティン作業に与える影響については、活発な議論が行えました。今回の調査の乾乳牛は全頭に対して9.9-21.4%と割合にかなり幅がありました。乾乳頭数はその後の2ヶ月間の分娩エリアの混雑状況の指標となります。分娩回数をなるべく均すことで、移行期エリアの頭数を最適化できます。過密は牛だけでなく人にもストレスを引き起こします。牛の配置を考え直したり、敷料は汚れやすく、諸々の労働が増えるためです。
敷料に注目する
飼養されていた敷料の主なものは砂、わら、泥炭でした。異なる敷料を混ぜたり、ウッドチップやカッターチップを追加しているところもありました。牛床エリアの掃除時間は牧場によって差がありました。敷料を追加するための時間も牧場内の配置動線や準備に必要な手順によってばらつきます。いずれにせよ、ルーズバーン牛床の維持管理について大きな労働負担と感じている生産者はいませんでした。

敷料の種類とルーティン作業方法は牧場毎に検討して決定するもので、今回の調査からは統一したガイドラインのうような基準は確立できませんでした。価格、入手しやすさ、性質、保管場所、過去の経験や季節など、影響する要因がたくさんありました。
ルーズバーン牛床のデザインのコツ
ルーズバーン牛床を作る際のポイントを今回のインタビューから得ることができました。今だったら違う方法をとったことや、後から変更したことなども含みます。どの生産者の方も、現状のルーズバーン牛床を気に入っているようでした。
“当初覚悟していたよりも労働負担はないのですよ”
今回、ルーズバーン牛床の管理についてたくさんの良い事例を見ることができました。適切な敷料の量については、研究が進んで基準が確立されることを期待します。敷料の種類ごとに、各移行期の牛エリアの頭数と合わせて継続的に観察・分析しないと、1日1頭当たりどれくらいの量が適切なのかの正確な数字は出せなそうです。
“適切に管理しないと深刻な状況を引き起こします”

結果は11月の4dBarnデイリーウェルフェアセミナーで発表しました。また、本調査はオウル農業経済協会農業財団の助成を受けて実施しています。 この場を借りて感謝申し上げます。

