子牛の暑熱ストレスに注意するタイミング


子牛の暑熱ストレスに関してはあまり報告はありませんが、外気23℃の時点で体温を下げるためにエネルギーをどんどん使い始めます。最近の報告(J. Laporta20245月)では、子牛でも温湿度指数(THI)に着目することで暑熱ストレスに対する適切な予防ができるとしています。

子牛が暑熱ストレスの徴候を示し始めるのが米国フロリダ州では19℃である一方で、ウィスコンシン州では20.5℃です。湿度がより高いフロリダ州の方が早くから暑熱ストレスのリスクがあり、温度のみによる判断は危険であるという良い例です。

Lehmän lämpöstressi on tunnetumpi kuin vasikan

子牛の暑熱ストレス徴候

暑熱ストレスによる子牛の徴候は比較的わかりやすいものです。よく観察して、早期発見につなげてください。主な徴候は次のとおりです:

・体温が39.5℃以上に上昇

・活動性が低下

・食欲が低下

・飲水量が増加

・脱水が進行すると尿量や糞便の水分含有量が低下

・呼吸数が増加

・開口呼吸

・横臥時間が減り、起立している時間が長くなる

子牛の暑熱ストレスを軽減する

1.  子牛の暑熱ストレス予防のための戦いは母牛の乾乳期から始まっています。母牛が深刻な暑熱ストレスを経験するとその影響は次世代にもおよび、子の乳生産量の低下は2.2~6.5 kg/日にもなります。さらにその次の世代まで乳生産量が低下するという報告もあります(J. Laporta、2020年8月)。

2.  なるべく涼しい場所を自分で探せるよう、カーフイグルーの外に、自由に行き来できるストールを用意しましょう。イグルー自体の換気は小窓を全て開放することで確保できます。イグルーの1辺を梁などの上に乗せれば、下部からの換気もできます。また、シェードや木でイグルーに直射日光が当たらないようにする方法もあります。

3.  グループ飼育の場合は、牛群の密度を下げます。風とおりが良くなるように、イグルー同士の間隔はあけておきます。

4.  頑丈な屋根つきの哺育舎の場合は、子牛の過ごす場所に直射日光が当たらないことを確認してください。当たる場合は、カーテンなどで対策を。

5.  哺育舎に対する風向きや他の建物などの遮蔽物による空気の通り道の悪さを確認し、自然換気やカーテンを最大限活用してください。換気が不充分な場合はファンや陽圧換気チューブの設置を検討してください。ファンやチューブは性能を維持するために清掃状況を定期的に確認し、哺育舎内の気温は常時モニターと記録をしてください。

Vasikkalan ilmanvaihdosta on tärkeää huolehtia

陽圧換気チューブ

6.  新鮮で清潔な飲水を提供された子牛の方が疾病発症率が低いという報告があります。水は毎日交換してください。暑熱ストレスを感じると、子牛はたくさん水を飲んで体温を下げようとします。暑い時期の子牛の飲水量は1日612リットルにもなります。

7.  常に新鮮な餌が食べられるようにしてください。子牛用の餌は少量ずつ与え、食べ残しは新鮮なものに適宜置き換えます。給水バケツと餌入れが近い位置にある場合、はねた水が餌をだめにしないよう、パーテーションをつけてください。

8.  暑い時期、日中のうち子牛の体温が低めの時間帯は朝です。子牛にとってストレスとなる除角や移動は午前中に実施してください。

9.  気温が上がると子牛の食欲は低下します。暑い時期は1日2回の哺乳を3回に増やすこともお勧めです。

Vasikoiden terveen kasvun varmistamiseksi on hyvä minimoida lämpöstressin vaikutus kesäkuumalla

子牛の健康な発育には、暑熱ストレスを最小限にすることが大事です


10.  子牛への給餌のタイミングは、最高気温に達する前と後とします。

11.  飲水・給餌用の容器や備品を清潔に保ってください。バケツ、哺乳用ニップル、混合用容器、投与用容器などは、洗浄しないと有害な細菌の温床になります。

12.  子牛の寝床は清潔に乾燥状態を保ってください。特に砂やおがくずは熱がこもらない素材のため、夏向きです。砂はハエの増殖を抑えることもできます。 




参考

”What we know about heat stress in dairy calves” J. Laporta, University of Wisconsin, May 2024

”Late-Gestation heat stress impairs daughter and granddaughter lifetime performance” J.Laporta, Journal of Dairy Science, Aug 2020

 

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