AMS(自動搾乳システム)の栄養管理を成功させるためには、牛自身がどのように行動するかが重要なカギとなります。牛は自分からロボットに入る必要があり、その頻度も一定の回数をこなす必要があります。良い環境を作ってあげれば簡単に、これらの条件を満たすべく学習してくれます。正しい過程を経ると、牛は積極的にロボットに入り、ごほうびを得ます。このごほうびは、おいしくて、ロボット以外の場所では口にできないことが必要条件です。ごほうびという物は、私たち人間にとってと同じように、特別な物であるべきなのです。


Herkkuja robotilta
牛はごほうびのためにロボットに向かいます(食後のデザートのチョコレートのようなものですかね!)

 

デザート(私たちでいうところの食後のチョコレート)としてのペレット

牛の栄養供給量は充分満たされる必要があり、特に搾乳牛においてはそれを満たせる条件を整える必要があります。乾物摂取量が多いほど乳量は増えますが、それだけではなく、総栄養摂取量を増やすことにもつながります。給飼が適切であれば、自然と牛は健康で活動的になり、ケトーシス、アシドーシスとも無縁になります。TMRを常に自由に食べられる環境下では、牛は満腹になるまで何度も食べる傾向にあります。食後は、おいしいランチを食べた後の私たちと同じ気持ちにーーつまり、お腹は満たされたけど口直しにチョコレート1つ食べたいな、となるのです。

牛が積極的に食べるという要素を含め、あらゆる面で給飼のバランスがとれていると、牛は健康でハツラツとしてたくさん乳を産生します。そして、ごほうび(私たちでいうところの「デザートのチョコレート」)を食べにロボットに入ってくれます。そのタイミングで、ついでに搾乳されます。乳量は、牛の遺伝的背景と牛舎における管理に左右されるのです。

牛の食事は1日12回

50kgのお乳を搾るのに、搾乳牛は良質な飼料を乾物で30kg食べる必要があります。24時間中の採食頻度が高いほど、第一胃内のpH変動が小さく済みます。牛にとって望ましいのは1日12回の食事で、毎回30分かけて食べることです。牛は乾物1kgを食べるのに15分かかるので、50kgのお乳を作るためには7.5時間の採食時間が必要になります。これを満たす条件が、1日10―12回ほど食事をとることなのです。

ロボットから与えられるペレットは、香ばしく、味もよく、口当たりも良いものでなければなりません。粉っぽかったり埃っぽかったりしないよう、保管場所からペレットの受け皿に入るまで、その形状はしっかりと保たれる必要があります。

牛には、ロボットでペレットを食べたいと思ってもらうことが必要です。自分から進んでロボットに入ってきた後、ペレットに集中し、迅速に安心して食べられるようにします。これによって本来の栄養設計どおりの給餌が完了するのです。

A cow is eating


一番の課題はトータルの栄養摂取量を適切に管理すること

ロボットで食べるペレットの量は乳量の10%ほどにします。乳量30kgの牛には3kg、50kgの牛には5kgのペレットが、ロボットから1日当たりの量として与えられます。搾乳の度にペレットを与える必要があるため、各牛の累積ペレット給飼量のデータはロボット間で共有される必要があります。また、搾乳時間内にペレットを食べきれないことは好ましくありません。

一番の課題は、トータルの栄養摂取量を適切にしっかりと管理することです。エサを作る人によって差が生じないように、栄養計算も単純なものにする必要があります。

About author

Tiina Karlström

ProAgria 所属、乳牛の栄養・健康・ウェルフェアが専門、Cow Signals ® Master取得

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